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都連「2024 年度マルチピッチクライミングコース」に参加して

otukazoo

2024年9月~11月に都連「マルチピッチクライミングコース」に参加してきました。

結論としては「奥が深さすぎる……」。マルチピッチという大海に親指の先だけ浸けてきた、そんな感じです。

 

講習の内容は充実しており、ロープワークからクライミングのシステム、トップ/フォロワーの役割……まで、マルチピッチの基本的なことを学ぶことが可能です。また、一人ひとりにスタッフがついてくれるので知識や技術の拙さはフォローしてくれますし、疑問点はその場で解決することができます。

 

で、これらの知識があくまでも基本にすぎないのだと気づいたのは、実際の岩場でマルチピッチを体験したときです。講習ではボルトに支点を作る方法を学んだのですが、「登ってみたらボルトがない!」 「思ってたのと違う!」

 

このようなボルトがないケースはめずらしくなく、代わりに木や岩に支点を取ります。その際体重をかけても折れない木や動かない岩を選ぶのですが、こう体重がかかったら動くかもしれないなどと細やかなシミュレーションが必要で、だんだん「本当に信用していいのか……」と疑心暗鬼に。

 

このように原則はあるけど、絶対はないような状況が多々あり、その都度、自分で考えて選択していかなきゃいけないシーンがほとんど。奥が深すぎ!

 

でもそこが大変なところでもあり、おもしろくてハマってしまうところなんだな、とマルチピッチの楽しさを身をもって知ることができたのが収穫でした。また、クライミングの技術は日々進化していて、数年で支点の作り方が刷新されたりすることも。このへんを突き詰める楽しさもありそうです。

そしてシンプルに感動するのは、自然のど真ん中にてマルチピッチで登らないと見られない景色に出会えることでしょう!

 

まったくの初心者で参加した講習でしたが、今の心境としては今後もマルチピッチ・クライミングを続けていきたいと思っています。ですが、スタートが遅かった自分としては、「ここまでを目指す」とか「この山を登る」とかのゴール設定が必要。じゃないとロープワークやシステムの知識をアップデートし、さらにクライミングの技術を高めてとやることが多すぎるし、何を目指しているのか迷子になりそうなので笑。

 

NIGI・記


 

 

春に受講したリードコースからの流れで、秋のマルチピッチクライミングコースも受講。何が違うかって?前者で習うのはシングルピッチのクライミング。ロープ半分の高さまでの短いルートを登るもの。オリンピックでやっていたやつですね。

 

対して後者は、シングルピッチでは登れない高さの長いルートを尺取虫のように複数人、複数ピッチで登っていくもの。数百メートルに及ぶような大岩壁も登ることができ、そのスケールの大きさがマルチピッチクライミングの最大の魅力ですが、その代わりにシステムは複雑になり、所要時間は長くなり、難易度は上がります。

 

で、どうだったか。この短期間でとてもその知識、技術を習得したとは言えませんが、マルチピッチクライミングの魅力の一端に触れることはできました。今後こちらの世界にどっぷりはまっていくかと言われれば、そこまでではないとは思うのですが、登山を趣味にするのであれば、経験してみる価値は大いにあると思います。とてもリーズナブル、かつ丁寧に教えてもらえますので、皆さんもぜひ今年の受講を検討してみてください。

 

ピート・記

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東京みなと 山の会
東京都勤労者山岳連盟所属
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