●日 時:1月22日(日)9:00~15:30 晴
●コース: JR大船駅→(江ノ電バス利用)高野台バス停→ 六国見山森林公園→ 明月谷→ 北鎌倉駅→ 東瓜ヶ谷やぐら→ 源氏山公園→ 常盤山特別緑地保全地区(桔梗山・峯山)→ 梶原口バス停→ 仏行寺→ 夫婦池公園→ 鎌倉山→ 鎌倉広町緑地→ 湘南モノレール西鎌倉駅
●メンバー
①班
ゆきち(リーダー)、ターボ、シンスケ、ナミヘイ、サンスケ、キュロちゃん、ワッター
②班
ベル子(リーダー)、フーミン、カール、KIREZOH、モーリー、ツッチー、うえきち
③班
マッチ―(リーダー)、タロウ、ナンシー、彦ニャ、ミクエモン、まい、ピート
1月月例山行は古都鎌倉である。鎌倉は明治22年の鉄道(横須賀線)開通以後、富裕層の別荘地や観光・商業施設の建設により、また戦後の高度成長期には大規模な宅地造成によって、広大な多くの遺跡・自然が破壊され緑が失われた。ついには鶴岡八幡宮裏山の宅地造成計画により、その反対運動(御谷騒動・昭和39年)を契機として、古都保存法が制定され、緑地保全の大切さが認識されて、現在の自然が残されている、
月例山行としては初めての六国見山を登り、遥か以前の月例山行で実施した鎌倉三大緑地の後半のコースを、あまり知られていない新たなスポットを加えて今回のコースとした。当初の計画では著名な鎌倉七切通し以外の、高野切通し・長窪切通しも紹介したかったが、行程を考えて割愛することとした。21名という大勢の参加で、①・②・③班の3グループに分かれて行動した。
今コースは鎌倉になじむ私としては一般的なコースであるが、山の会会員の方々には余り目を向けられることがなく、初めてコースを歩かれた方も多かったようだ。
大船駅からバスで、終点の高野台バス停から六国見山へは、登る距離としては最短で、すぐに山頂(147.2m)に到着する。山名の由来は旧国名の相模・武蔵・安房・上総・下総・伊豆の六国が見えたことに由来する。展望案内板が設置され、明治28年建立の浅間大神の石碑がある。電車で大船駅を過ぎると、車窓に北鎌倉円覚寺谷戸奥のこの山を眺めて、鎌倉に入る気分を高められるが、かつて全山が緑におおわれていたこの山も、山頂部分を除いて宅地開発されて久しい。しかし山頂周辺は、鎌倉市により六国見山森林公園として整備されている。
下山は通常、新興住宅街の舗装路を北鎌倉駅に下るのだが、今回は私も初めての山道で下ってみた。下見の際に通った道では、円覚寺の弁天堂・洪鐘(国宝)のある高台に出てしまい、拝観料( 500円)を払わずに境内に入れてしまうことが分かっていた。このため別の道を進むと、明月院のある谷の一角に下ることができ、私としては新たな道の開拓となった。明月院前を通り、北鎌倉駅からの観光客やハイカーと行き交いながら進んで、円覚寺前駐車場で一服する。北鎌倉駅からは県道と並行する路地を通り抜け、瓜ヶ谷の舗装路を登る。
登り坂となった途中で、舗装路をそれて田んぼの脇道を通り、谷戸奥の部分から尾根へ向けての山道となる。すぐに東瓜ヶ谷やぐらが現れる。(西瓜ヶ谷やぐらも存在する)「やぐら」とは鎌倉地域特有の横穴式墳墓で、鎌倉時代の武士・僧侶等上流階級の人々の墓である。やぐらは鎌倉に多数存在するが、どのやぐらも被葬者はほとんど不明である、ちなみに庶民の墓所は由比ヶ浜であった。東瓜ヶ谷やぐらは市指定史跡で、5穴の第1号穴は「地蔵やぐら」と称され、その大きさ、壁面彫刻の種類の多さから第一級のやぐらと評価されている。鎌倉が世界遺産になれなかったのは、当時の建造物が残っていないことが大きな要因で、その点やぐらは高徳院大仏(国宝)と並ぶ、鎌倉時代の大変貴重な遺産といえる。しかしご覧いただいた通り、放置されて、風化・埋没に任されているのが現状である。皆様がやぐらに興味を持って記念撮影をしていただいたのは嬉しい。鎌倉には幕府滅亡地・東勝寺跡の北条高時腹切りやぐらなど心霊スポットが多々存在するが、当所については何も問題は無かったと思う。
このような解説を続けていくときりがないので以上とし、あとはコースの要点を簡単に述べるに留める。葛原岡神社前広場(源氏山公園の一角)で昼食。常盤山緑地は以前は道標は一切無かったが、今は簡単なものが多数設置されていて道が分かり易くなっている。前回通らなかった桔梗山(113m・標識無)に登る。野村総合研究所跡では建物は以前と変わらず残されている。公園化された峯山(98m)に立ち寄る。下見で昼食予定場所としたが、源氏山公園での昼食で正解であった。山道を下り、梶原口から舗装路を登り、笛田公園横を仏行寺(源太塚が有名)に下る。夫婦池公園から鎌倉山へ登り、高級住宅街を抜けて鎌倉広町緑地に鎌倉山入口から入る。外周コースを歩いて、途中の大桜(周りが整備され以前の趣がなくなり残念)に立ち寄り、管理棟・御所谷入口に下る。西鎌倉駅手前のレ・ザンジュ(喫茶・洋菓子店)に立ち寄る方もいた。西鎌倉駅から湘南モノレールに乗り、終点大船駅構内で無事に一同解散して山行を終了した。
今回の鎌倉にはベテランの会員の方々も参加していただき、相変わらず衰えぬ脚力はさすがである。新人の方にはフレッシュな山へのあふれる意欲を感じさせていただいた。この季節に咲く花、遠望できる海、山中しばしば出現するタイワンリス、初めて乗車された湘南モノレールとそのスピード等、その都度感激していただいたことは、私にとっては普段のことなので、驚きとともに大変喜ばしく感じた。今回の山行を機に鎌倉への関心を高めていただければ幸いである。 (ゆきち 記)
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