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1月月例山行 鎌倉の緑地をめぐるハイキング

●日 程

2024年1月24日 (日) 9:00 ~ 15:30  晴


●メンバー 24名

A班:ゆきち(リーダー)、みっちゃん(サブリーダー)、しずく、モーリー、かよこ、HY、フィママ、ニコ

B班:ツッチ(リーダー)、ユッキー(サブリーダー)、ターボ、シンスケ、マッチ、彦ニャ、ひろちょ、のの

C班:メイ(リーダー)、ミクエモン(サブリーダー)、カール、マキバオー、サンスケ、まい、うえきち、たむたむ 


●コースタイム 

 JR鎌倉駅→ 緑ヶ丘入口バス停→ 名越切通し→ 大切岸→ パノラマ台→浄明寺緑地→ 東泉十二所果樹園(昼食)→ 熊野神社→ 朝夷奈切通し→十二所→報国寺→巡礼古道→衣張山→平成巡礼古道→鶴岡八幡宮→JR鎌倉駅


1月月例山行は昨年同様古都鎌倉の緑地である。鎌倉は明治22年の鉄道(横須賀線)開通以後、富裕層の別荘地や観光・商業施設の建設により、また戦後の高度成長期には大規模な宅地造成によって、多くの遺跡・自然が破壊され広大な緑が失われた。ついには鶴岡八幡宮裏山の宅地造成計画がおこり、その反対運動(御谷騒動・昭和39年)を契機として、古都保存法が制定され、緑地保全の大切さが認識されて、現在の自然が残されている。

 

遥か以前の月例山行で実施した、鎌倉の著名な七切通し踏破コースの最初の部分(名越、朝夷奈切通し)と、ポピュラーな衣張山に、月例山行の道としては初めて歩く巡礼古道を加えて今回のコースとした。24名という大勢の参加をいただき、A・B・Cの3グループに分かれて行動した。(緑ヶ丘入口バス停から熊野神社まで(ピート)さんがハプニングで同行された)

今コースは、鎌倉になじむ私としては普段歩きのコースであるが、山の会会員の方々には余り目を向けられることがなく、初めてコースを歩かれた方も多かったようだ。

 

鎌倉駅からバスで、終点の緑ヶ丘入口バス停は国指定史跡名越切通し、およびまんだら堂やぐらへの最短の登り口で、これらはかつて世界遺産登録構成要素として整備された。大切岸は三浦一族の鎌倉への攻撃に対する防壁とされていたが、現在は石切場であったことが判明している。以前は崖の下には降りられなかったが、逗子市により新たに道がつくられ、身近に壁面を見ることができるようになった。


道から逸れて登ったパノラマ台は、今回のコースで一番の展望(鎌倉市街・富士山・箱根・伊豆・丹沢・江ノ島・相模湾・大島)が得られた場所である。

 



西部鉄道グループが鎌倉市と逗子市にまたがる用地(鎌倉18ha、逗子43ha) を買収し、鎌倉逗子ハイランド(3,000戸、12,000人)を造成し、昭和45年に完工・販売された。当時は鎌倉市内各地で同様の大規模宅地開発が行われ、鎌倉の自然と緑が多く消えて「昭和の鎌倉攻め」と言われた。この住宅街の最上部は浄明寺緑地と称し、関東富士見100景の一つとされている。この住宅街は神奈川まちなみ100選にも選ばれ桜の名所として有名である。

 

鎌倉逗子ハイランドを抜けて、久木大池から六浦方面に延びる尾根に登り山道をたどる。右側は池子の米軍施設で途中に鉄柵・石塀が長く続く。樹林帯が終わり視界が開けると十二所果樹園の上部に着き、先に進んで果樹園の端の広場で昼食とした。十二所果樹園は鎌倉風致保存会が買い取ったトラスト地で宅地開発をまぬがれた。さらに尾根を進み途中から熊野神社に下る。ここは市街地から離れた静寂の山奥で、源頼朝が鬼門鎮護に神社を設置し、無人ではあるがきれいな境内である。国指定史跡朝夷奈切通しの鎌倉側は常に水が流れる湿った道で滑りやすい。十二所から金沢街道のバス通りを歩き報国寺に着く。この寺は「竹の寺」として有名で、鎌倉では2箇所しかないミシュラングリーンガイドの三ツ星評価を得て外国人観光客が多い。


旧華頂宮邸に向かう途中で巡礼古道の山道に入る。坂東33観音霊場第1番札所杉本寺から第2番札所岩殿寺に向かう古道である。金剛窟地蔵尊やぐらを見て進んでいくと鎌倉逗子ハイランドの一角に出て、この宅地開発により古道の先は失われてしまった。ハイランド西端の広場を抜けて、登山口から3つのピークからなる衣張山を踏破し、石切り場を見て犬懸ガ谷に下る。田楽辻子の道を通り大御堂橋から金沢街道のバス通りを進む。鶴岡八幡宮東門から境内に入り、源氏池の畔で解散とした。

 

なお、当初の予定では鎌倉最後の秘境・番場ヶ谷(吉沢川遡行)を計画に入れていたが、下見(1月14日・担当者4名およびベル子さん)において、大勢の歩行は危険ということでとりやめた。この場所における新たな道の探索において、困難な箇所を何とか登った尾根(送電線の鉄塔)に、存在するのではないかと思った道がなかった。下って戻る際、登ったときの困難さは幸いほとんど感じなかった。これが逆であった場合、登り返す困難さに恐怖を感じ、道迷いの際に安易に下ることによる致命的な危険性を改めて認識できたのは望外の成果であった。

今回の鎌倉にはベテランの会員の方々も参加していただき、相変わらぬ衰えぬ脚力はさすがである。新人の方にはフレッシュな山へのあふれる意欲を感じさせていただいた。この季節に咲く花、遠望できる海、山中しばしば出現するタイワンリス等、その都度感激していただいたことは、私にとっては普段のことなので、驚きとともに大変喜ばしく感じた。今回の山行を機に鎌倉への関心を高めていただければ幸いである。

最後に私の鎌倉企画は今回で区切りをつけたいと感じている。会には長年多くの企画の機会をいただき、楽しい思い出を残せたことを深く感謝申し上げる。  

 

                            記:ゆきち




  

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東京みなと 山の会
東京都勤労者山岳連盟所属
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